■単室加圧式アルコールストーブ
 

単室加圧式は単純な構造で自作が楽なのが特徴です。


●「蝶ネジ付き」
蝶ネジは、炎の熱を内部に伝える役目をします。
ネジをはずしてアルコール補給ができます。
スーパードライ135mlを使用。
周囲のジェット孔は16個。
800ccのパーコレータ沸騰まで8分10秒。

●「肩ジェット1.5mm」
中央の穴はジェット孔と燃料補給穴を兼ねてます。
周囲のジェット孔は16個。
パーコレータ沸騰まで7分20秒。

●「上面ジェット 低床」
ジェット孔を真上に向けてみました。
周囲のジェット孔は12個
りんごジュース350mlの缶です。
パーコレータ沸騰まで8分10秒。

●「肩ジェット0.8mm」
ジェット孔は16個。
パーコレータ沸騰までなんと6分30秒。

▲蝶ネジ
蝶ネジがあったほうが、プレヒートが楽になります。
蝶ネジが無い場合には、ストーブ本体を温めるのに、プレヒート皿で丸焼けにしないと駄目ですが、蝶ネジがあると上面ボールの燃料だけでプレヒートが出来ます。

ただ、蝶ネジがあるとデュアルヒート用五徳が使えなくなるんですよ。

▲火力
「肩ジェット」で出来るだけ同じストーブを作って、ジェット孔を0.8mmと1.5mmを比べてみました。
なんとジェット孔が小さいほうが沸騰が早いと言う結果になりました。
ただ、ジェット孔が小さい分、プレヒートが大変です。

パーコレータ用には、沸騰8分以下の強力タイプだとふきこぼれますからあまり火力を追求しても仕方ないと思います。 カップラーメン用ならいくらでも強力で良いんですけどね。

▲トランギア用五徳
アルミのトランギア用五徳は非常に便利で、プレヒート皿が兼用できます。
但し、内部に熱がこもるので熱的正帰還が掛かりすぎることがあります。
サイドバーナーウコンの力などを仕込むと、炎が横を向いているので五徳を熱してしまい熱暴走することがありますのでご注意。


▲自作のコツ(外筒と内筒のはめ込み方)
誰でも苦労するのが、上半分に下半分をはめ込む作業です。
もともと同じ直径なのではめ込めるわきゃ無いのです。

切り取った「底」の姿。 キッチンバサミで簡単に切れます。
下半分用の「底」にアルコールを入れて火をつけます。
この火で上半分の「底」の内側を5秒程度あぶります。
炙りすぎるとアルミが溶けてへなへなになりますから気をつけて。
アルミの融点は660℃、炎の先端は1040℃。 案外すぐ溶けますよ。
実はこれだけでも「オープンフレームストーブ」ってゆう、れっきとしたストーブです。

ゆっくり冷まして焼きなまします。
そしたら、下半分のお尻を上半分にちょっと押し込んで直径をわずかに広げます。
焼きなまさないでやっても直径は広がりません。
こうやっておくと、比較的簡単に合体させることができます。

合体したら、ピンバイスで真ん中に注入孔を開けて、ゆっくりと押し込んでいきます。
手に持ってぱこんと押し込まないで、机において均等に少しづつ叩き込んでください。


▲火力調節のヒント
オープンジェットタイプのストーブは、燃焼中にアルコールのなかに水を垂らして薄めると弱火になるという技が知られています。
単室加圧式ではその技が使えません。

トランギア五徳を使っているときには、五徳のサイド窓から五徳内に水を入れるのがよいでしょう。
ストーブ自体が冷えて、多少ですが弱火になります。
パーコレータが吹き零れる場合などにお試しください。

{index}