小学生チームのソフトボール指導法

 って、大層なタイトルでけど、伝統も上手い上級生もいない小学生のソフトボールチームをどうやって指導していくかという一例のページです。

指導方針

 ここでは、「勝たせたい!」とか「練習あるのみ!」というのは扱いません。
 勝つのは子供が勝ちたいと思わなければ無理です。
 一応、ソフトボールをやっている格好が付くまでを目指します。
 練習時間は1週間に2時間までが目安です。

練習の要点

 試合でやらない動きは練習する必要がありません。
 特にキャッチボールはキャッチボールという肩慣らしになりがちです。
 キャッチボール→ノック→シートノック→試合での守備
という流れで同じ動きが出来るように練習しましょう。

指導の要点

 指導には、コーチ自身が体得した運動スキルは役に立ちません。
 試行錯誤によって小脳に構築したプログラムは人に伝達できないのです。
 動きをどれだけ大脳で理解するかがキーポイントです。

キャッチボール

 ソフトボールの基本はキャッチボールであるが、ただやっているだけでは時間の無駄です。
 重要なのはあらゆる距離でキャッチボールをやることです。
 毎日練習がある高校のクラブ活動などでは合間のふざけあいで十分練習になる近距離キャッチボールも週一回の練習ではわざわざやる必要があります。

−1 内野守備練習としてのキャッチボール
 注意する点は片手捕球の徹底です。
 よく「両手で捕れ」と怒鳴ったりしますけど、そうではなくて左半身になって片手で捕るくせをつけます。
 これは本人の技術向上というよりも、グローブにポケットの形を作るためです。

 次に捕球してから投げるまでのステップを教えます。
 右足を前に送ってから左足を低く遠くに踏み込んで投げます。
 このときに後ろ足で地面を蹴って体重移動で投げることを教えます。
 次にやっと投げ方です。
 右手を伸ばしきらないように、肘を曲げたままで投げるように。
 ここでの投げ方はせいぜい塁間にボールを通す投げ方です。
 遠心力で投げずに、カタパルトのように投げます。
 遠投とは区別してください。

−1 補足 片手捕球と両手捕球
 一般的には両手捕球が基本です。
 片手捕球とはスタイルが違うのではなくて、過程が違うだけです。
 片手で捕れてグローブにもポケットがちゃんと付いている子には両手捕球を教えるのがよいでしょう。
 手よりも先に足で送球打球に追いついて体の中心で捕ることを教えるためです。
 しかし、まだポケットも出来ていない子に両手捕球を教えると、左手をグローブの後ろに添えるのではなく、蓋をするように使う子が多いのです。
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 しかし、まだポケットも出来ていない子に両手捕球を教えると、左手を送球に備えてグローブに添えるのではなく、蓋をするように使う子が多いのです。
 これだといつまで経っても安定した捕球が出来ませんので、最初は片手捕球を教える必要があるのです。

−2 超近距離
 ショート、セカンド間とかセカンド、ファースト間などは上手投げでは強すぎ、投げるのに時間を食って間に合わないことがあります。
 下手投げトスと上手投げを切り替える距離を体で覚えさせる必要があります。
 トスとは弱いボールを投げるためではなく捕球してから投げるまでの時間を節約するためにやるものです。
 捕球したら、グローブの場所をそのままにしてそこからボールを回転させないようにボールを握りなおさないように「ボールを送るぞ」という意思を全身で相手に表現しながらトスします。
 てなことは教えないと覚えませんよ。
−3 遠投
 コーチが曲芸として遠距離でのキャッチボールをやることはありますけど、チームの練習としては遠投は不要です。(いいのかなこんなこと言っちゃって)
 サードからファーストにボールが通ればそれ以上の遠投は不要です。
 チームとしては外野からバックホームのときの中継プレイを練習すべきであって、遠投はほっとけば子供同士の遊びでやりますから練習しなくてもいいです。

バッティング

 そろそろバットを振り回したくなる頃です。
 その子が中学にいって野球に転向したりやめたりするのか、それともソフトボール選手を目指すのかで指導法が違います。
 ソフトボールのバッティングはテイクバックを事前に全部済ませておくのが普通です。
 そうしないと間に合わないのです。
 想定される対戦相手がウィンドミルの本格速球派でなければ野球式バッティングでもかまいません。

 野球式バッティングの人は打つか打たないかに係わらずテイクバックを毎球やることをしつこく教えます。
 ソフトボールバッティングの人は、構えで左肩を入れてテイクバックを済ませておくことをこれまたしつこく教えます。

 一般にバッティングで教えてしまいやすいのは、
 「左足を力強く踏み込む」 「左足の前方でミートする」
 ということですが、これは一応打てるようになった人が外野まで飛ばせるように指導するときの言葉です。
 最初は右足を動かさないことに重点を置きます。
 視点を変えないようにバットを始動するためです。

素振り

 素振りでやることは、いろいろありますが、なにを改善するのかをしっかり分けてやらせましょう。
−1 ステップ1 スィングスピードの改善
 要するに、単なる筋力トレーニングとしての素振りです。
 まず注意するのはグリップです。
 左右の手の間を開けないように注意します。
 最初はとりあえずぶんぶん振り回すだけです。
−2 ステップ2 左足
 右足と左足、どちらが先か迷いましたけど。
 子供は格好よく左足を上げたがります。
 まず、これをやめさせる必要があります。
 せいぜい、踵を上げるだけにさせましょう。
 理由は、素振りで左足を上げてても、本番の打席で間に合わないからです。
 ソフトボールの投球フォームは野球に比べて時間が短いんです。
 いつ足をあげればよいか、悟った頃には試合が終わってます。
−3 ステップ3 右足
 さて、バッティングで一番大切なのは右足でしょう。
 構えからインパクトまで体の高さを変えないことが大切です。
 振り始めに踏みなおしたりしないように。
−4 ステップ4 手の構え
 問題はバットをどの程度立てて構えるかです。
 振り出しを早くしようとバットを寝かせすぎると、始動すぐからバットの重さが全部手に掛かってきますのでスイングスピードが上がらず結局振り遅れることになります。
 まっすぐ立てる程度、あるいは、バットの先が自分の頭上に来る程度が良いかなと思います。

ピッチング

 ストライクが入らないと試合になりませんので、野手の練習をほっといてでもピッチャーの練習に付くべきです。
 チームにウィンドミルが出来るOBや上級生がいない場合、子供にはソフトボールの投球フォームは全く分かりません。

 指導しないまま投球させると、捕手に身体を正対させたまま真下から手を振りますので強くなげようとすると真上に投げ上げてしまいます。
 円運動の途中で手を離すことで投げようとするからで、ストライクが入るリリースポイントはごく狭い範囲なのでまぐれでしかストライクがはいりません。
 この狭いリリースポイントを週2時間の練習で習得するのは”無理”です。

 要するにピッチングの指導とは、下向きの円運動ではなくどれだけホームへの直線運動で投げられるようにするかという点につきます。

−1 まず脚
 自由脚を前に踏み出すときに、身体を横に向けて大きく踏み出す練習をします。
 同時にグラブを捕手に向けて突き出します。
 自由脚の着地と同時に腰を勢い良く戻します。
 同時にグラブを身体に引き付け、同じ動きをボールを持った手でもやります。

 ここでは、捕手に向かっての直線的な動きをイメージして、身体を前に進め、自由脚でブレーキを掛けて急停止する感じをつかませます。

−2 次に手
 脚が直線運動を担当し、手は水平方向の円運動を担当します。
 下手投げとは言いながら、実際に行うのは肘から先のサイドスローです。

 本来は、肘を腰に接触させることを徹底的に覚えさせてから投球練習に入るべきですが、エース級のピッチャーが別にいるチームでないとそれは無理。

 最初に覚えるべきなのは、スリングショットのテイクバック位置です。
 ウィンドミルとスリングショットはテイクバック位置までボールを廻す方向が違うだけで後半部は同じ動きです。
 スリングショットを突き詰めればウィンドミルが出来るという意識を持たせないと子供はやたらにウィンドミルをやりたがってフォームを崩してしまいます。

 テイクバックの最終位置をトップオブスィングとしますが、ウィンドミルとスリングショットで共通のトップオブスィングの形とするためには、手のひらの向きが重要です。
 手のひらが三塁の方を向いている必要があります。
 手のひらが外を向くと、肘が内側を向いて自然に腰にタッチすることができます。

内野守備

−1 送球
 ショート、一塁間の送球とか、三塁、一塁間の送球というのは黙っていても練習しますので、ここで気をつけて練習したいのはトスです。
 二塁、一塁間とか二塁、ショート間というのはトスを練習していないと送球が通りません。
 打球を受けたグローブ位置からテイクバック無しでボールを握りなおしたりせずに直線的に押し出します。
 この動きは意識して練習しないと、試合で役に立つトスができませんのでたっぷり練習してください。
 内野陣だけでなく、投手捕手間でも練習してください。
 暴投、三塁走者ホームスチールなどという場面で本塁カバーの投手へ確実にボールを渡すのは練習しておかないと無理です。

−2 ノック
 内野組のノックの前に、ちゃんとしたゴロの捕球のやり方を教えます。
 大事なのは普通に走ってから構えるように、グローブと腰を落として両手を添えたままで走る奴がいたら注意します。
−3 ノックキャッチャー
 コーチの人数が足りなければノックキャッチャーを子供にやってもらいます。
 これは意外に勉強になります。
 バッターにボールをトスするときに回転していない柔らかいボールを渡すとか、ゴロの捕球のやり方とかワンバウンドの捕球の仕方とか一球ごとに勉強できます。
 交代で子供にやらせましょう。

−4 シートノック
 ノックばかりしていても、守備練習にはなりません。
 ある程度ゴロが捕球できるようになったら、早々にシートノック中心に切替ます。
 ここで重点的に教えるのは、ボールが飛んでこなかった人のポジショニングです。
 ランナーがいなくてもベースカバー、外野も無駄とは知りながら毎回ベースカバーに付きます。
 アウトカウントを想定してキャッチャー中心の声だしも兼ねます。
 一人一人の傍について動きを教えます。 遠くから怒鳴ってもおぼえませんよ。

外野守備

 外野は逃がしたらホームランだぞとよく脅しますが、重要なのは外野がトンネルしたときの練習をしておくことです。
 バックアップの外野がエラーを想定して架空のボール目指して走り、中継してバックホームします。
 エラーをしてはならないと教えるのではなく、エラーをリカバリする方法を教えます。

走塁

−1 離塁アウト
 野球と違うのは、投球が投手の手を離れるまで離塁してはいけないことです。
 これには、うっかり足を離してしまったというのもアウトになりますので気をつけてください。
−2 四球
 ソフトボールにおいては、進塁出来そうなときには進塁を試みることが必要です。
 相手の守備が四球のときにちゃんと二塁にカバーが入っているかを見ます。
 もし二塁のカバーをサボっているようなら、四球を宣告されたときに出来るだけ急いで走り二塁を目指します。
−3 ランナーが動けないとき。
 投手がサークル内で球を保持しているときは、走者が離塁することが出来ません。
 投手が球を受け取ったときに、走者が塁を離れていたら走者はすぐに塁につく必要があります。
 必ずしも戻る必要はありません。
 アウトにならない確信があれば、進塁してもかまいません。

ルール

−1 控え選手のためのルール
 試合に出られない下級生は、玉拾い要員ですが、玉拾いをするためのルールを教える必要があります。
 触ってよいボールと触ってはいけないボールをちゃんと教えます。
 それと競技場内に用具を放置したときのペナルティを教えて、バット・ヘルメットの整頓をやらせます。
−2 代打要員のためのルール
 試合へのデビューは大抵代打ですよね。
 振り逃げと四球で二塁を覗うことを教えます。
−3 走塁のルール
 離塁アウトをしっかり教えます。
 これは練習の紅白戦のときから、塁審を立ててしっかりとアウトを取ることで教えます。

   だいぶ書きましたね。
 あと残っているのは走塁、ルールかな。

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