小学生チームのソフトボール指導法
基本について考える
「捕球は両手で、体の正面が基本」というのは、野球・ソフトの指導で必ず言われることです。
基本と言うからには、実戦では応用しないと使えないという側面もあるわけで基本のメリット・デメリットを整理しておく必要があります。
基本とは
左手のグローブの近くに右手を常に置き、捕球後の送球動作に備えます。
足を使って、体の正面で捕球します。
そのメリット
・ファンブルしても、右手で押さえ込めるのでエラーしにくい。
・体の中心で捕球するので、後ろにそらすエラーが少ない。
デメリット
・打球の方向に体が正対してしまいやすい。
・ゴロ捕球のときに、両手を合わせたまま走るやつがいる。
・捕球のあとに右手で押さえる癖が付いてしまう。
どうゆうことか?
グローブを始めてはめる子が、ベテランになるまでにはいくつかの段階があります。
1)とにかくグローブにボールを落とさずに収める練習をする。
2)手だけを伸ばす前に足を使って体の正面にボールを持ってくる。
3)走者をアウトに出来るタイミングで送球できるようにする。
大雑把に3段階に分けられます。
体の正面で、両手捕球というのはこのうち、2)の段階の選手に当てはめる指導法です。
両手捕球を指導してはいけない段階とは?
まず、1)の低学年の子にはグローブにボールを収める事を教えなくてはなりません。
右手でグローブを蓋しようとしたり、捕球したグローブを胸に抱こうとしたりするのをやめさせなくてはなりません。
この段階の子は試合に出なくてもよいので、まずは確実に捕球することを目指して捕球した手を動かさない事、良い音を立てて捕球することを教えます。
次に足が動くようになった3)のレベルの子に注意するのは、ファンブルしたときに「両手で捕らないからだ」と責めないことです。
両手捕球を教えてもよいですが、ポジションと打球によります。
ファーストに両手捕球を教えちゃいけないのは分かりますよね。
セカンドは両手捕球で良いです。
が、ショートがノーステップ送球を試しているのを両手捕球を強制して邪魔してはいけません。
ノーステップ送球は、捕球の確実性よりステップの無駄の排除に重点を置くべきであり、それには捕球姿勢というより送球姿勢のまま捕球することが大切です。
捕球姿勢の考察
捕球姿勢と送球姿勢を分けて教えてはいけません。
たとえば、ファーストとして、
バント! 3塁ランナーにバックホーム、というゴロ捕球と
バント! 一塁カバーの二塁手に送球という場面では同じゴロ捕球でも姿勢が違うのはわかりますよね。
具体的には、バックホームの時には左足前のオーソドックスなゴロ捕球で良いですが、バントから一塁への送球では、逆に右足前で捕球しないと投げられませんね。
基本と応用
基本はあくまで基本。
試合では応用が必要。
高校野球では、応用は選手の仕事ですが、小学生の地区チームではコーチの仕事。
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