ソフトボールのキャッチボールについて続編のつづき
続編では、投球と捕球の姿勢について論じました。
ここでは、キャッチボールをやる距離について論じようと思います。
キャッチボールをやるときの距離
従来の指導では、「せめて塁間(16m)は離れてやれ」と指導し、徐々に距離を離していこうとするやり方です。
これはこれで意味があり、強い肩を形成しようとする意図は理解できます。
ですが、16mでばかりキャッチボールをやらせていませんか?
検証実験
塁間キャッチボールをやらせているとしたら、ちょっと子供に実験をやらせてみてください。
なに、簡単です。
1)まず、いつもの距離でキャッチボールをしばらくやらせる。
2)つぎに、距離を4m程度にしてやらせる。
このときに、投球フォームが変わって、ふわっとしたボールしか投げられないようなら指導が間違っています。
キャッチボールはあくまで内野でのボール回しの練習であるべきで、投球はすべてライナーでやる必要があります。
ライナーで投げることを教えずにいきなり16m離すと、子供はしかたなく山なりボールを投げます。
投球の強さで距離を加減しようとするので、いきなり近距離にすると、ふわっとしたボールしか投げられない子になってしまいます。
小学生チームのキャッチボールの正しい指導法
子供の肩が強くなるのは成長するからであって、遠距離キャッチボールをやらせた成果ではありません。
遠距離キャッチボールはたまにお遊びでやる程度で十分です。
1)まず、ライナーで投げるのに躊躇しない程度の近い距離(6mくらい?)でキャッチボールします。
2)エラーしなくなったら、徐々に距離を離します。 このとき、ライナーで投げているかを注意深く観察し、ライナーで届かなくなったらそれ以上距離を離すのをやめます。
3)エラーしだしたら、距離を縮めていきます。
確実にボールが通るようになったら徐々に距離を離します。 対角塁間まで離れられる子がいたら、そいつはショート、サードの候補生です。
4)今度は距離をどんどん縮めていきます。 ライナーで同じ強さのままで投げさせます。
5)暴投したり、捕球を怖がるようになったらそれ以上近づけるのをやめます。
ここまでを繰り返しやらせます。
間違っても一斉に号令を掛けてやらないこと。
一組づつコーチが付き添ってやってください。
この指導の要点
小学生の低学年だけのリーグがあって、小3で試合に出るなどというチームは別として、小学生ソフトでは、ボールを落とさないで内野間で廻すということが重要です。
それには、試合で使う可能性のある距離はキャッチボールでしっかり練習させる必要があるのです。
距離を投球の強さで加減しないように、出来るだけ同じ仰角で同じ強さのボールで近距離から遠距離を投げられるようにします。
ただ遠距離キャッチボールをやらせて、漫然と見ているだけではいつまでたっても内野でアウトが取れませんよ。
補足練習(トス)
キャッチボールでは近すぎる距離も試合ではよく使います。
たとえば、走者一、二塁でショートゴロという場面、確実に3塁手にボールを渡すためにはトスも練習しておく必要があります。
トスとは、近距離でふわっとしたボールを渡す手段ではなく、投球の予備動作を一切省略するための投球法です。
投げ方は、「グラブの中から直線動作でボールを放出する」ということだけです。
バックスイングをしてはいけません。
これは練習させないとうまくなりませんからね。
子供の体格的成長とは何の関係もありません。
やらせるかどうかです。
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