エレキギターのシールドについては、様々な商品レビューがありますが、「音抜けが良い」「力強い」などの定性的な表現ばかりが目立ちます。
また、ピックアップについても、メーカー、型番ごとにどんな音質だとレビューがあります。
音質は、シールドだけで決まるものでもなく、ピックアップだけでも決まりません。
ピックアップは誘導性の信号源であり、シールドは容量性の負荷になります。
この2つの組み合わせで周波数特性が決まります。
ケーブル、ピックアップがそれ自身で持っている音質の特性などはありません。
レビューワーが「このケーブルはこんな音質だ」と言っても、違うギターをつなぐと、違う印象の音になります。
シールドに使われるケーブル素材はメーカーサイトで静電容量のデータが公開されてます。
ピックアップについても、直流抵抗、インダクタンス、巻数などのデータが公開されています。
それらを組み合わせて周波数特性を表示するソフトを作ってみました。
cable.zip
python2.7で記述、windows用にコンパイル済み
左が、P-90ピックアップをモガミ3368につないだ場合、右が同じピックアップをBelden8412 1芯使いの場合です。
長さはともに3mです。
強調される周波数が違うのが解ると思います。
Belden8412でもピックアップが違うと、また特性が変わります。
ピックアップのインダクタンスについては、巻数から簡易的に換算したものなので、あくまで参考です。
レビューしているサイトでは、「高価なケーブルは音が良い、激安ケーブルは音が悪い」と大ざっぱに書いてありますが、安いから悪いというより、ピックアップとの組み合わせで得られる特性が好みではないだけです。
自分のギターを使ってケーブルを何種類か試す場合の傾向としては、
静電容量が大きいケーブルのほうが、低いほうにピークが出ます。
これを力強い中低域と言うか、抜けが悪いと言うかは好みです。
プラグ形状による相性の問題はここをご覧ください。